建築が嬉しい楽しいと感じる時

使ってもらえていること

先日私の設計した救世軍呉保育所に行き屋内遊戯場で子どもたちが運動会の練習をしていました。この日も子どもたちが元気に踊り走って笑っていました。
設計をしても実際に自分でその建物を利用出来ないのですが、寄らせていただくと使ってもらっている所を見ているだけでいろいろと嬉しく感じることがあります。

救世軍呉保育所の屋内ホール

おじちゃんがいる

保育所の職員室で先生たちとお話をしていると「おちゃんがいるー」と私を指して窓から子どもたちの声。職員室の前には子どもたちの背に合わせた高さの子どもカウンターがあるんです。そこからいつも子どもたちは職員室前のこのカウンターに並んで肘をついて覗いてくれます。

救世軍呉保育所の職員室からの子どもたち

これを反対側から見るとこんな感じになっていて子どもたちの高さにあわせて先生が膝をついている感じの高さになっています。実はこのアイディアは設計時の打ち合わせ時に先生の言葉「子どもたちの高さにあわせて向かい合う事が保育なんです。」からでした。

救世軍呉保育所の子どもカウンター

ですから「おじちゃんがいるー」の声が聞こえその笑っている子どもが見えた時私はとてもとても嬉しく感じるんです。

楽しいと感じること

こちらの保育園のコンセプトの一つに視線コンタクトがありました。ピンク色が大人の視線で黄色は子どもから先生をみる視線ライン。そして子ども同士の視線ラインが水色になっています。
保育室の先生は他の部屋の先生と目が合うように。保育室の子どもたちからは気が散らないように視線をカットするように分けています。

「見える伝わる」を考えた救世軍呉保育所の断面計画

この日も左下職員室に居た私に右側の2F保育室に居る先生が手をふって挨拶してくれました。こちらからも手をふりかえせました。そんなやり取りができるだけですごく「楽しい」となるんです。これがここでは当たり前のことになっていると感じるだけで嬉しく楽しくなるんです。

考えて作ります感じて使ってもらいます

いくらしっかりと考えぬかれた建築も使う人が「考えないと使えない」では意味がないと思います。考えないでも自然に感じてもらって使ってもらえる。そんな建築が私は好きです。そしてそれが垣間見えた時私はとても嬉しく楽しく思ってしまいます。

参考設計実例 救世軍呉保育所

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