奇跡の鉱石と呼ばれ天然にある繊維状の鉱石でコストも安い上に、加工しやすく耐熱にも優れ摩耗もしにくいと建築建材においてもいろいろな分野で利用されていました。この鉱石は便利な半面諸刃の剣があったことは昔よりしられていた事実があります。しかし、経済発展と共に有益でコストパフォーマンスに優れる材料は使われ続けていました。もちろん今では使われることはありませんが過去のこの教訓をどう受け止めるかは大切な事だと感じます。
昔何度かアスベスト状況の検査を行ったことがあります。
実質検査と言っても目で見て解る事はとても少なく使われている材料の内容からアスベストの混入を調べる事しか出来ません。それ以上となればサンプルを採取し専門的な機関に提出そして検査という流れになってしまいます。
個人的にこのアスベストという材料が使われ続けた一つの要因に、「見えない解らない利用場所」という事もあるのではと感じます。建材であればボードや断熱材の様に一般の方々が余り目にしにくい選択しにくい内容のため、生産コストを抑えたいビルダー側の意向を受け入れやすい状況もあったと思います。またそのコストが通例になりコストパフォーマンスを求める経済状況では割高な他の材料が発展しない傾向もあったのではと。
材料一つもしかり、計画プランもしかりどの部分でも大切な事は暮らす方々の健康と安全です。
改めて自分の設計という立場から襟を正しながら本当の事を見ていかねばと思います。
この程8月25日に、泉南アスベスト事件の判決で原告側逆転敗訴のニュースが流れました。
健康被害を認識しながら、必要な対策をせず被害が拡大したと阪府南部の泉南地域の元石綿工場従業員や近隣住民が国に訴訟を起こした訴訟の判決がおりました。住民を含めて日常生活の破綻から生死を掛けている方々もいると聞きました。
個人的には大阪高裁の判決には理解しがたい部分もありますが、激動に揺れ動く日本というこの国は絶えず色々な問題が進行し続けているはずです。そんな中ニュースに取り上げられる多くは政治スキャンダルばかり。
「見えない解らない事」はニュースとしての価値は少ないかもしれませんがしっかりと見据えていかなければと感じました。
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