先日お店のカウンターを移動させたいというお話があり
職人さんを紹介してくれないかとのお話がありました。
紹介をさせて頂いたのですが
どうもコストが合わなかった様で不調になったようです。
「これを外してこっちに付けるだけ」
と言う作業なのですが実はそう簡単でもないのです。
こういった家具に関しての職人さんというのは
同じ大工さんでも少し意味合いの違った方々が専門になります。
皆さんがご存知なのは「造作大工」さん達のことです。
ただ今回のように家具を扱う場合は少し違った手が必要になるのです。
家具というのは家の組み建てより細やかな寸法調節が必要になります。
また木材等のソリなどの変形も考えながら材料を選び
組み込みを行わなければなりません。
こういった職人さん達により建具(室内ドア)や造り付け家具が家に組み込まれます。
その為手間も材料も割高になってしまいます。
その分メリットももちろんあります。
下の写真は地袋と天袋を造り付け家具としてあります。
天袋のスリットの部分にはエアコンが収納されています。
ただそれだけのことかもしれませんが
これだけで部屋の雰囲気はガラリとかわってしまいます。
統一された素材感から機能性も全て自由に考えられるという
造り付け家具にしか出来ないメリットです。
こちらは階段下のデッドスペースにパソコンラックを造り付けてあります。
下部の収納の中にはコンセントからLAN配線などが設置されています。
パソコンラックという物はどうしても部屋の片隅に追いやられてしまいがちです
そうなるとパソコンを触るためには隅に隅に寄って行くことになります。
これでは折角の開放的なコミュニティプランも無駄になってしまいます。
造り付け家具のメリットは家のプランを家具が有ること前提で考えれる
事でもあります。
家具と言いますが建具も造る事が出来ます。
通常の場合コストのこともあり建具はメーカー品などの既製品が
一般的と思いますが、建具もやはり家具なのです。
造ることだって出来るのです。
壁一面を覆う建具で家具のように見せてみました。
普通のクローゼットとは少し感じが違うとおもいませんか。
でも最大の造り付け家具のメリットと言えば
自由なプランニングへの対応です。
キッチン裏の収納になりますが右には冷蔵庫の入るスペースが有りますが
上部に吊り戸棚がはいって居ます。
一般的な既製品の家具は上から吊る構造にはなっていません。
ですから必ず上部が空いてしまいます。
造り付け家具の場合そう言ったデッドスペースも利用できます。
中央はレンジ・炊飯器が収納されますが下部が空いていますね。
実は既製品の家具を並べるとゴミ箱を置くスペースがどこかにはみでて
必要になってしまうのです。
ここではその為にフリーな空間も敢えて用意しました。
もともと私自身造り付け家具に大変興味があり
その新しい可能性を想像するのが大変気に入っています。
その為に家具の図面を作成する仕事をしたことも有ります。
家具ひとつでもその家の使い道も雰囲気も変わってしまいます。
上手に造り付け家具をプランニングすれば
その家のポテンシャルは上手に上がる気がしています。
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