建物の見えない力

今日はとある旅館へ特殊建築物定期報告の調査に行ってきました。
難しい言葉ですが不特定多数の人が出入りする使い方の大きめの建物の健康診断みたいなものと言えば解りやすいでしょうか。
非常照明
検査対象の一つに「非常用の照明」があります。天井に着いている紐が垂れ下がっている物が「非常照明」と呼ばれる物です。その名の通り「建物が災害や事故時に停電」になったとしてもこれだけは点灯し避難のお助けをする照明です。この照明は普段全く役に立たないため故障があったとしても誰にも気が付いてもらえません。その為に年に一度こうして検査に回るわけです。
家も含め建物は実は色々な法律や色々な装置や仕組みが組み込まれています。
それは構造・仕様などに組み合わされ使われているのですが実際に暮らす人や使う人には中々解りにくい事です。
これが「建物の見えない力」と思いますが「見えない」となると「安い」方がいいとなる場合もあります。
それを見えるようにしようと「耐震」「断熱」「電化住宅」など色々なキーワードがありそれぞれで「仕様」を決めている事が多く中身のことを考えている人はとても少なく感じます。
以前に某社の断熱仕様の資料をお持ちになられて「これで!」とおっしゃった方が居ました。
資料通りにすれば「断熱」といえるのかと思えばそうでもないと私は思っています。
必要の無い部屋に極度な断熱をするなら大切な部屋に回したいと考え
「断熱」を考える余り熱の逃げやすい窓を小さくしてもそれもまた違います。
「断熱」が目的ではなく「快適で健康的な暮らし」が目的なのです。
それぞれの仕様を持ち寄るだけではだめな場合もあると思っています。
その場その気候・コスト・形態など色々な条件から割り出すからよりよい暮らしに一歩近づけると考えています。

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