どんな敷地にも建坪率【ケンペイリツ】と言うのが決まっています。
敷地を家が一杯に建ってしまうと、周囲の環境に影響が大きすぎる為
建築基準法でその割合の上限が決まっています。
その割合は土地により「住宅用」「商業用」「工場用」などと用途が決められ
その場所によって指定されています。
一般的な場合は
住宅地では60%を超えてはいけない事になっています。
となると敷地のどこかを、余らせる様に考えなければなりません。
多く見られるのが、道路側に駐車場を配置する関係と
出入り口のポーチとお庭を用意する為
上図の様に道路側を開けて建物を奥に配置というパターンでしょうか。
無駄もなく建物も正方形に近いプランニングが可能になります。
今回設計させて頂いた「風の回る家」の場合
敷地が三角形です。
「三角形の土地は無駄が多い」
とよく言われがちですが、考え方一つで良くも悪くもなるのです。
「風の回る家」の敷地は見事な三角形でした。
そこに家を配置します。
今回の場合はこのように配置させて頂きました。
図の下側が道路なのですが道路に沿う様に、建物は長細くなっています。
何故こうした形になったかにも理由があります。
三角形の土地に四角の建物を持ってくることで
建物の廻りに三角形の空き地が出来ます。
その三角形の空き地もやはり大切な土地なのです。
「勿体ないから建物をいっぱいまで建ててください」
と言われる方も居ますが勿体ないから敢えて建物で詰めずに
空き地にして新しい利用方法を考えるのも一つだと考えます。
・隣の建物と平行に配置されない為に視線が合いにくい
・隣の建物までの距離が一定にならないために建物同志に一定の距離感が保てます。
・一定でないために風も光も場所により変化することになります。
通路のような外構では明るさに変化もなく
普通の場合はただの通路の様な建物も外も
変化ある空間として利用出来ます。
室内からみても
窓の外がすぐ通路というより何か別の物の方が
人にとっても優しいのではないかと感じます。
日の光は南側から来るとします。
一般的なプランの場合こういった日の当たり方をしますね。
ですが三角形の敷地に建った長細い家の場合は
こうなります。
では二つの場合の光が外壁に当たる面積を考えてみましょう。
見て頂くと、影の面積は長細い建物の方が大きい事になりますね。
あくまで方位を考え敷地を考えた結果なので
全ての土地でこれが良いとは当てはまりません。
因みに南東に長い建物にした場合は、
全く逆の効果になってしまいますね。
ですが少なくともこの三角形の土地に建つ家に沢山の光を
取り込める配置と形は長細い建物の方が
四角い家より有利と解りますね。
どんな土地にも必ず特徴があるはずです。
それを活かして建物を考えるのと言うのが大切と感じています。
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